
日本の工作機械産業の集積地域を地図化しました
生産統計が非公開の場合の産業別雇用データ活用
B2B調査に4桁の産業分類コードを用いて、国内の生産量の違いが調べられたら理想的です。例えば、経済センサス(経済の国勢調査)のデータから、金属切削工作機械[1]の製造拠点の集中度が調べられるはずです。しかし、特定の統計地域に製造業者が3社未満しか存在しない場合、政府は特定の製造業者の生産量を把握できないように、生産データを非公開にします。一つの解決策としては、その4桁の産業分類コードについて、地域レベルと全国レベルの生産額の差を比例配分する方法が考えられます。もう一つのアプローチは、地域レベルでは非公開にされる可能性が低い雇用データを用いることです。
地図の紹介
前述の例に沿って、地図では、金属切削工作機械、金属成形工作機械[2]、工作機械部品・付属品を製造する従業員の都道府県別分布を示しています。この日本の地図には沖縄県[3]は含まれていません。
愛知県は日本の自動車生産の中心地です。また、多くの工作機械メーカーや工作機械部品・付属品のサプライヤーも集積しています。例えば、金属切削工作機械の労働者数は全国の26.3%を占めています。さらに、同県の金属成形工作機械産業と工作機械部品・付属品製造業の労働者数も夫々全国の14.2%と15.9%を占めています。
愛知県は金属切削工作機械の製造において非常に大きな存在感を示している(2位の三重県の3.9倍)ため、色分けされた地図(階級区分図)では、他の都道府県の視覚的存在が薄れてしまいます。この問題に対処するため、非表示ボタンを設置してデータセットから愛知県のデータを除外できるようにしています。最大値を除去することで金属切削工作機械製造の地図が3倍見やすくなり、工作機械部品・付属品製造の地図が2倍見やすくなります。金属成形工作機械については、愛知県(14.2%)と2番目の大阪府(12.5%)との差が小さいため、最大値を除外しても色分けの階級の変化がなく、地図の見た目も変わりません。
まとめ
産業の地域雇用データを利用することは、特に情報が限られている海外市場において、市場規模を視覚的に把握するのに役立つ可能性があります。日本の工作機械製造業の場合、営業担当者の地理的分布は、金属切削工作機械メーカー、金属成形工作機械メーカー、工作機械部品・付属品メーカーのいずれをターゲットとするかによって異なるはずです。
多くの国では5年ごとに経済センサスが実施されています。場合によっては、日本よりも詳細なデータが得られることもあります。ご興味ならまずは、NAICS(北米産業分類システム)コードを使用する米国国勢調査局や、NACE(欧州共同体経済活動分類)コードを使用する欧州連合の統計調査から調べてみると良いでしょう。
注記
- 金属切削工作機械は、日本標準産業分類(JSIC)において2661に分類されます。
- 金属成形工作機械というのは、強い圧力を加えて金属材料を塑性変形させる機械類を総称する造語であり、業界関係者が使うものではありません。
- 沖縄は日本の47番目の都道府県です。人口の大部分は、本土から約600キロメートル離れた沖縄本島に居住しています。
